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16- D- 0240 201 6 年 6 月 2 7 日
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輸送大手各社の 16/ 3 期決算の
注目点
トラック輸送大手各社の16/ 3 期決算および 17/ 3 期業績予想を踏まえ、株式会社日本格付研究所(J C R) の現況に関する認識と格付上の注目点を整理した。
1. 業界動向
14 年度の貨物輸送量は、消費税増税に伴う駆け込み需要の反動などで減少した。15 年度は消費関連貨物 が増加したものの、建設関連貨物の低迷などにより総輸送量はほぼ横ばいで推移した模様であり、輸送量の 回復は見られなかった。また大手を中心に近年取り組んできた運送単価の改定は一巡しつつある。
業界全体として引き続きドライバー不足が深刻化しており、人件費や傭車費の増加など収益の圧迫要因と なっている。各社では労働環境の整備などを進め採用増を目指しているが、他業界でも人手不足が問題とな っている中でドライバー不足の早急な改善は見込みにくい。
このようななか、業界では冷凍・冷蔵物流への進出などによる事業の多角化や運送効率の向上に向けた取 り組み、M&A や合弁会社設立による海外物流網の強化などが進んでいる。
2. 決算動向
上場陸運会社 27社※ の2015年度売上高の合計は 7兆 2, 708億円(前期比 1.4%増)、営業利益の合計は 3, 030億円(同 12. 6%増)であり、27社中 25社で増益となった。国内貨物量が伸び悩むなか、大手を中心 とする適正運賃収受の効果に加えて、燃料費の下落が寄与したものと考えられる。2016 年度は単価の改善が 一巡すると見られるほか、人件費や傭車費などのコスト上昇の懸念もあり、営業利益の大幅な増加は見込み にくい。
※ 上場陸運会社 27 社は 05/ 3 期以降連続して連結データを入手可能な企業
J C Rが格付を付与している上場陸運会社 6 社(鴻池運輸、丸全昭和運輸、センコー、トナミホールディン グス、福山通運、セイノーホールディングス)では、6 社すべてで 16/ 3 期は増収増益となった。売上高合計 は 1 兆 7, 194 億円(前期比 3. 8%増)、営業利益合計は 776 億円(同 16.3%増)である。このうち特積み 3 社 (トナミホールディングス、福山通運、セイノーホールディングス)の 16/ 3 期売上高合計は 9, 330 億円(前 期比 1. 5%増)、営業利益合計は 446 億円(同 14. 5%増)となった。近年取り組んできた運送単価の改善が一 巡しつつあるものの、燃料費の減少などが増益に寄与した。倉庫内作業の請負や3PL 事業をメインに展開す るその他 3社(鴻池運輸、丸全昭和運輸、センコー)の 16/ 3期売上高合計は7, 865億円(前期比6. 6%増)、 営業利益合計は331 億円(同19.0%増)となった。顧客の業績が堅調に推移したことや燃料費の下落効果に 加え、新規物流センターや M&A などが増収増益に寄与した。
財務面では、6社合計の 16/ 3期末自己資本比率は 52. 5%(前期末 50.9%)と財務構成は改善した。物流 ネットワークの新設や M&A などの投資が増加したものの、営業キャッシュフローで概ね吸収できている。
3. 決算に
お
け
る
格付上の
注目点
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近年進めてきている運送単価の見直しは今後一巡すると見られるほか、人件費や傭車費などの増加が懸念 される。このため営業利益の増加率は前期を下回る可能性が高い。しかし格付先では高い輸送品質や独自の 3PL システムの構築などを背景に新規荷主の獲得が進んでおり、当面現状程度の収益の維持は可能と見込ん でいる。財務構成は、比較的良好な水準を維持している格付先が多い。業容拡大を目的とした物流センター 建設や事業基盤強化に向けた M&A など積極的な投資を計画している企業もあるが、現状では財務内容への 影響は限定的と考えている。
J C Rでは以下の 3 点に引き続き注目している。1 点目は貨物量確保に向けた輸送品質の保持である。高度 化する荷主のニーズへの柔軟な対応力や高付加価値サービスの提供のため、物流拠点の整備・増設による定 時配送率の上昇など、輸送品質の向上に向けた取り組みの進捗を確認していく。2 点目は海外物流ネットワ ークの構築である。国内企業の海外進出の動きは今後も続くとみられ、荷主のニーズに対応するためにも海 外を視野に入れた事業展開が必要となる。各社では、東南アジアを中心とした物流網の整備、現地物流会社 の M&A 及び業務提携などを進めており、その成果に注目している。3 点目は人件費や傭車費のコントロール である。人手不足に伴う人件費や傭車費の増加に対応するため、運行体制の見直しや貨物量に応じた車両の 投入など、効率的な運行体制の整備を進めることが重要と考えている。
(担当)加藤 直樹・外窪 祐作
(図表 1)トラック輸送大手 6 社の連結業績の推移 (単位:百万円、%、倍)
売上高 前期比 営業利益 前期比
自己資本 比率
前期比
有利子負債/ EBI TDA
前期比 DER 前期比
鴻池運輸 15/ 3 期 244, 982 5. 8% 9, 361 17. 9% 43. 0 0. 9 2. 7 0. 0 0. 5 0. 0
(9025) 16/ 3 期 252, 550 3. 1% 10, 264 9. 6% 45. 2 2. 2 2. 2 - 0. 6 0. 5 - 0. 1 17/ 3 期予 266, 000 5. 3% 11, 000 7. 2%
丸全昭和運輸 15/ 3 期 94, 672 5. 8% 4, 770 11. 2% 58. 0 0. 7 3. 3 - 0. 4 0. 4 0. 0
(9068) 16/ 3 期 99, 902 5. 5% 5, 293 11. 0% 59. 6 1. 6 2. 8 - 0. 4 0. 4 0. 0 17/ 3 期予 107, 000 7. 1% 5, 600 5. 8%
センコー 15/ 3 期 398, 447 19. 3% 13, 649 12. 6% 28. 4 0. 6 5. 1 - 0. 1 1. 4 - 0. 1 (9069) 16/ 3 期 434, 000 8. 9% 17, 497 28. 2% 32. 6 4. 2 3. 3 - 1. 8 1. 0 - 0. 4
17/ 3 期予 460, 000 6. 0% 18, 100 3. 4%
トナミ HLD 15/ 3 期 122, 547 1. 2% 4, 752 46. 7% 45. 1 3. 1 3. 2 - 0. 7 0. 6 - 0. 1 (9070) 16/ 3 期 122, 959 0. 3% 5, 239 10. 2% 47. 1 2. 0 2. 1 - 1. 1 0. 4 - 0. 2
17/ 3 期予 126, 600 3. 0% 5, 600 6. 9%
福山通運 15/ 3 期 253, 941 - 0. 6% 12, 800 3. 3% 51. 6 0. 6 3. 8 0. 1 0. 5 0. 0 (9075) 16/ 3 期 254, 565 0. 2% 13, 139 2. 6% 53. 9 2. 3 3. 4 - 0. 3 0. 4 0. 0
17/ 3 期予 254, 700 0. 1% 12, 900 - 1. 8%
セイノーHLD 15/ 3 期 542, 452 - 0. 2% 21, 386 5. 9% 64. 5 2. 3 0. 3 - 0. 1 0. 0 0. 0 (9076) 16/ 3 期 555, 457 2. 4% 26, 186 22. 4% 63. 0 - 1. 5 0. 6 0. 2 0. 1 0. 0
17/ 3 期予 566, 000 1. 9% 26, 500 1. 2%
15/ 3 期 1, 657, 041 5. 2% 66, 718 10. 9% 50. 9 0. 8 2. 7 - 0. 1 0. 4 0. 0 6 社合計 16/ 3 期 1, 719, 433 3. 8% 77, 618 16. 3% 52. 5 1. 6 2. 2 - 0. 6 0. 3 0. 0
17/ 3 期予 1, 780, 300 3. 5% 79, 700 2. 7%
(出所:各社決算資料より J C R 作成)
【参考】
発行体:鴻池運輸株式会社
長期発行体格付:A - 見通し:安定的
発行体:丸全昭和運輸株式会社
長期発行体格付:A - 見通し:安定的
発行体:センコー株式会社
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発行体:トナミホールディングス株式会社
長期発行体格付:BBB+ 見通し:安定的
発行体:福山通運株式会社
長期発行体格付:A 見通し:安定的
発行体:セイノーホールディングス株式会社
長期発行体格付:A + 見通し:安定的
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